「指定校推薦は、推薦をもらえればほぼ落ちることはない」という話を聞いたことがありますか?
もしそうなら、ぜひもらいたい指定校推薦ですが、「ほぼ落ちない」というのは本当なのか不安になっている受験生もいることと思います。
今回は、「指定校推薦合格率は99%というのは本当なのか」「ということは1%は落ちるの?」「どういう場合に落とされるの?」ということについて説明していきます。
指定校推薦合格率が99%は本当か?
結論から言いますと、指定校推薦合格率が99%はズバリ本当です。
もちろんきっちり99%とは言い切れませんが、指定校推薦を受けることができれば、ほぼ落ちないと思って間違いないでしょう。
筆者は数十年高校で教鞭をとっていますが、指定校推薦で落とされたというのは2件しか聞いたことがありません。
毎年何人もの生徒が指定校推薦で進路を決定しますので、もしかしたら99%よりも高い確率で合格しているかもしれませんね。
指定校推薦合格率はなぜ高い?
これを説明するには、まず「指定校推薦」の仕組みについて説明する必要があります。
「指定校推薦」というのは、高校と大学・専門学校の間の信頼関係から成り立っています。
みなさんの通う高校の卒業生たちが、その大学・専門学校で立派にやっているというしるしでもあります。
「そちらの卒業生は優秀ですね、ですから今年度も〇名の生徒を受け入れますよ。校長先生が推薦してもいいと思うような優秀な生徒をお願いします」
というわけです。
その申し出を受けて、高校の校長が「これぞ」という生徒を選び推薦するわけですから、その生徒を不合格にするには相応の理由が必要になります。
実際に、指定校推薦で生徒を不合格とする場合には、大学・専門学校側から「このような理由で不合格になってしまいました」という理由が述べられるます。
そういった事情がありますので、指定校推薦を受けた場合に不合格となる確率はかなり低くなっているのです。
指定校推薦合格率は高いが1%は落ちる?
このページを読んでくれている人のほとんどは「じゃあ、どういう場合に落とされるの?」ということが知りたいと思いますので、筆者の実体験を元に指定校推薦で不合格となったケースを説明します。
ケース1 泣き出してしまって面接にならなかった
とある女子生徒が指定校推薦を受けたときのことです。
面接で「志望理由」を聞かれた生徒は「〇〇についてこちらの大学で学びたいと思い、志望しました」と答えました。
ところがその内容はその大学では扱われていないことだったのです。
大学の面接官から「その研究はうちの大学ではできないね」と言われたその生徒は、ショックのあまり泣き出してしまい、それ以後の面接での受け答えができなくなってしまったそうです。
ケース2 緊張のあまり受け答えが不自然になった
こちらは男子生徒の例です。
緊張しすぎたその生徒は、何を聞かれても「はい、そうです」としか答えなくなってしまったそうです。
「志望理由を聞かせてください」
「はい、そうです」
これでは会話になっていません。
この生徒の受けた学部は「看護学部」だったので、「パニックや緊張で冷静さを失うと、患者の命に関わる可能性がある」という理由で、不合格になってしまいました。
他に、筆者の実体験ではなく聞いた話ですが「面接当日に遅刻してしまった」というものがあります。
指定校推薦の当日ではないですが、「電車で受験に向かったが財布を落としてパニックになり、受験できなくなってしまった」という話を聞いたこともあります。
万が一そのような不慮の出来事があった場合、受験先の大学・専門学校にできるだけ早く連絡をしてください。
大学には連絡しづらい…という場合は、通っている高校に連絡しても良いでしょう。
おそらく高校の先生方が適切なアドバイスをしてくれると思います。
スマホを落としたり忘れたりして連絡手段がない場合は、駅や交番、コンビニで助けを求めれば電話を貸してもらえる可能性もあります。
みなさんが思っているよりも、周りの大人たちは受験生の味方をしてくれるものです。
声を挙げて助けを求めましょう。
普通に受け答えできれば落とされることはない!
結局のところ、よほどのことがなければ指定校推薦で不合格になることはない、ということがわかっていただけたでしょうか。
きちんと志望理由を考え、普通に面接を受ける。
それで合格できます。
筆者の教え子は指定校推薦で数学科を受けました。
ですが面接での数学の質問に一つも正解できず、面接官に苦笑いされたそうですが、合格できました。
素直な態度で面接を受け、わからない質問があっても「すみません、わかりません」と言えれば大丈夫です!
安心して指定校推薦の面接に臨んでください。